大判例

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東京地方裁判所 昭和31年(ワ)6168号 判決

本訴における争点は、原告株式会社常磐相互銀行主張の根抵当権設定登記が原告主張のように錯誤による申請に基くものであるかどうかに帰着するので、この点について判断するのに、証拠によれば、原告主張の根抵当権設定登記についての登記原因を証するものとみられる。「無尽掛金支払に関する契約証書」(甲第一号証)には、被告の原告に対する無尽返掛金債務につき、被告が原告のため本件建物に抵当権を設定することを約定した旨の記載があり、またその登記申請について原告が代理人に選任した訴外宮地美和に対する委任状にも、原告が本件建物に対して取得した抵当権の設定登記の申請手続を訴外宮地美和に委任する旨の記載がみられるところ、登記申請書には本件建物に原告のため根抵当権設定登記の申請をする旨の記載がなされていることが認められる。一方他の証拠によれば、被告の原告に対する無尽給付金百十七万六千円の債務につき担保提供者兼連帯保証人として前示甲第一号証にその署名捺印がなされている訴外神永正造は、訴外亀田隆次を代理人としてその所有にかかる建物につき、被告の原告に対する前記債務を担保するための抵当権設定登記の申請を昭和二五年七月七日になし所轄の東京法務局北出張所において同日その登記が経由されたことが認められる。

以上の認定事実によれば本件建物に原告のため経由された根抵当権設定登記は、原被告から本件建物につき原告のために抵当権設定登記の申請をするための書類の作成を依頼された司法書士がうつかりして根抵当権設定登記申請書を作成し、これが提出受理されたためになされたものであると認められる。

してみると、右登記は錯誤に基くものとして真実の登記原因にそうよう抵当権設定登記に更正されるべきものであるといわなければならないから、被告に対してその更正登記手続の履行を求める原告の本訴請求は、理由がある、としてこれを認容した。

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